住宅の価格は数千万円以上するケースが多く、ほとんどの方が金融機関からお金を借りて自宅を購入します。一般的に、住宅ローンは20年から35年という長期間にわたり返済をする契約になっています。しかし、不幸にもローンの返済中に債務者が亡くなってしまった場合はどうなるのでしょうか。残された家族が残債を支払い続けることは容易ではなく、場合によっては住居を手放さなくてはならないことも起こり得ます。そのような事態を防ぐため、団体信用生命保険(以下、『団信』といいます。)という制度があります。債務者に万が一のことがあった場合は住宅ローンの残債がゼロ(保険会社が金融機関に保険金を支払うため)になるため、残された家族が返済を続ける必要がなくなる契約です。なお、金融機関では団信の加入を融資の条件としているケースが多いと思われます。
契約者が返済中に亡くなったら
もし団信を契約している方が住宅ローンの返済中に亡くなったら、金融機関から自宅に設定されている抵当権を抹消するための書類が交付されます。住宅ローンはゼロになっても、自動的に抵当権は抹消されないため注意しましょう。将来、住み替え等で自宅を売却する際、抵当権が設定されたままだと抹消書類の再交付依頼をしたり面倒な手続きが必要になる可能性があります。そのため、相続が発生したら早めに所有権移転登記とともに抵当権抹消登記も申請することをお勧めします。