『遺留分』という用語について、聞いたことはあるけどよくわからないという方も多いと思います。遺留分とは、一定の相続人のために残しておく遺産の割合をいいます。一定の相続人とは、子、配偶者、父母や祖父母のことを指し、兄弟姉妹には遺留分はありません。なぜ、遺留分という権利が存在するかというと、遺言書で法定相続人以外の人に全財産を遺贈することも可能だからです。そうすると残された家族の住居やその後の生活に支障が出る事態が起こりえます。それを保証する為の制度が『遺留分』です。
では遺留分の割合を見てみます。
○配偶者と子
配偶者 | 1/4 |
子 | 1/4 |
○配偶者と父母
配偶者 | 1/3 |
父母 | 1/6 |
○配偶者のみ
配偶者 | 1/2 |
○子のみ
子 | 1/2 |
○直系親族のみ(父母や祖父母)
直系親族 | 1/3 |
子が複数などの場合は割合から、その人数で均等に分けることになります。
①配偶者と子供2人
配偶者 | 1/4 |
子(長男) | 1/8 |
子(長女) | 1/8 |
②配偶者と父母
配偶者 | 1/3 |
父 | 1/12 |
母 | 1/12 |
ここで注意したいのが、遺留分の請求権は相続の存在を知ってから1年で消滅時効にかかることです。また、知らなかった場合でも10年が経過すると権利を失います。