今現在、相続で取得した不動産の名義変更を放置していても、法律上のペナルティーはありません。しかし、2020年秋の臨時国会以降に義務化される可能性が濃厚となりました。
義務化されるのは所有者不明土地問題の影響?!
現在タイムリーで問題となっている所有者不明土地問題。この問題の最大の原因の一つに、相続で取得した不動産の名義変更手続きが行われていない点が上げられます。この手続きが行われていないと問題がおきます。
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誰かを特定できないと名義変更(相続登記)ができない。
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相続登記が完了しないと、名義変更できないため不動産の売却ができない。
そこで国は、相続で取得した不動産の名義変更を義務化し登記を行わない人に罰金を課すことで、この手続きを促すことにしたのです。
相続人の数が手続きのものさし
親から子供へのシンプルな相続登記であれば、法務局に相談をしてご自身で手続きを行う方もいます。しかし、所有者不明土地の場合、傾向として相続人の数が10名を超えることが珍しくありません。なぜなら、長期間放置されていたことにより親族の誰かがお亡くなりになり、その子へと新たな相続が発生し相続人の数が増加してしまうからです。
特に相続人の数が膨大になりがちな兄弟姉妹の相続手続きは、法務局で相談して進められるレベルを超えていると言っても過言ではありません。実際に、法務局で相談しても手に負えないから、と当事務所にご依頼をいただく方が少なくありません。取得しなければならない戸籍も、親子間の相続と比較して何倍にもなるからでしょう。
2020年以降に義務化されたときに注意すること
ルール変更が行われた時には注意が必要です。必ずと言っていいほど「専門家」と称する悪質な業者が増加します。また、相続手続きを専門としている士業は多数存在しますが、不動産の相続による名義変更を最も得意とし、専門的に扱えるのは司法書士のみです。お客様の望まれる成果を得るためにも司法書士へ依頼されることをおすすめします。中途半端に手続きを進めて、高額なお金を請求する業者には特にご注意ください。