令和6年4月1日から法改正により不動産の相続登記が義務化されたことで、当事務所にも多くのお問い合わせをいただいております。その中でも特に多いご相談の一つが、山林や地方の農地についても相続登記をしなければならないのかというものです。実家は相続をするけど、山林等の価値の低い土地は相続したくないのでそのままにしておけないのかと疑問に思う方が多い印象です。
相続することで管理する負担が生じたり、場所すらよく分からない土地を相続することに不安を感じる方が多いと思います。しかし残念ながら、山林等についても相続したことを知った以上は相続登記を申請しなければならなくなりました。自宅や現金のみを相続して、山林等の“負”動産のみを放棄することはできないのです。
ただ、誤解が多いのですが、相続登記を申請しなくても相続していないことにはなりません。相続登記はそれによって効力が発生するという制度ではなく、所有者を公示するものだからです。これについては、相続登記義務化の法改正前から変わりません。山林等を放棄するためには、家庭裁判所に相続放棄の申立てをして全ての遺産を放棄する必要があります。
相続人にとっては不要な土地であっても、第三者に需要がある場合もあるので、不動産会社等に相談してみるのも良いと思います。