あけましておめでとうございます。昨年はおかげ様で多くのお客様にご依頼をいただきました。令和5年度も宜しくお願いいたします。
これまで当事務所では相続について多数のご相談を受けてきましたが、多くのお客様が相続後の手続きの多さにお悩みになっている印象を受けます。市役所、税務署、銀行、法務局、時には裁判所においても手続きが必要なケースもあります。相続手続きを紹介しているホームページなどでは、これでもかというくらいに必要な手続きを網羅しております。そこで最低限これだけは優先すべき手続きを当事務所なりにご紹介をさせていただきます。
遺族年金及び年金支給の停止
遺族年金は給付を受けられる方や条件など非常に複雑です。しかし一般的な遺族年金である配偶者の方が受給できる制度について簡略的にご紹介をいたします。こちらは主だった書類としましては死亡診断書、戸籍謄本、住民票、亡くなった方と受給者の年金証書、所得証明書、受給者の通帳などです。予約をして年金事務所で手続きをする事をおすすめしますが、郵送で手続きを受けてくれることもあるようです。管轄の年金事務所にお問い合わせください。遺族年金の手続きと並行して亡くなった方の年金支給停止の手続きも行ってください。なお1ヶ月分の年金については振り込まれてしまうことが多いようです。その場合は年金事務所の担当者に相談して返金の必要があるかご確認ください。1ヶ月分の支給なら同居の配偶者であれば返金をしないで済むことが多いようです。
水道光熱費の支払先の変更
亡くなった方の銀行口座で水道光熱費の引落をしていた場合ですが、銀行側に亡くなったことが伝わると通常はその口座は凍結されます。そうなると水道光熱費の支払いが止まり、ガス、電気、水道が停められてしまう事態になりかねません。水道光熱費の支払い先の変更は優先して行うべきでしょう。
準確定申告
亡くなった方が個人事業主で毎年確定申告を行っていた場合や、事業を行っていなくとも賃貸アパートなど賃料の収入があった場合など税務署に申告が必要となります。準確定申告は亡くなってから4カ月以内にと期限が短いため早めに税理士に相談をすべきです。
不動産の名義変更
相続による不動産の名義変更は以前は特に期限は設けられておりませんでした。しかし令和6年4月1日から義務化される事となっております。具体的には所有者が亡くなってから3年以内に名義変更の手続きを行わないと10万円以下の過料が科せられてしまいます。もっとも、義務化の有無に関係なく相続による名義変更は早めに行うべきです。名義変更をしないと不動産の売却はできませんし、司法書士に名義変更を依頼した場合は、登記と同時に法定相続情報という預貯金の払戻しや株式の移管等相続手続きを円滑にする書類を取得してくれるメリットもあります。
相続後一度にすべての手続きを行わなければとお考えになると精神的に大きな負担となってしまいますが、まずは前述の手続きを行えば気持がかなりすっきりするのではないでしょうか。