相続手続において亡くなった人の戸籍及び相続人の戸籍を集める必要がありますが、この作業はなかなか大変だったりします。特に亡くなった方の戸籍については死亡から誕生までの戸籍を集める必要があるため、取得しなければならない戸籍の量も多くなります。現在では他の都道府県の戸籍も最寄りの市役所などで取得できるようになりましたが、それでも1日がかりの作業のようです。取得する戸籍の内容によっては引渡しが後日になってしまうこともあるようです。
せっかく取得した戸籍ですが相続人の間で話し合いに時間がかかり、遺産分割協議がまとまるまで長期間経過してしまうことがあります。また相続人が仕事に忙殺されていて銀行や証券会社への連絡が遅くなってしまうこともあるでしょう。
そういった場合に戸籍の取得から時間が経過して手続きに使用できないことがあります。銀行や証券会社などでは取得から6カ月以内の戸籍を求めてくることが多いからです。
とはいえ戸籍の取得から6カ月経過してしまったからといって再度集めなおすのは大変ですし、お金もかかってしまいます。そこで法務局で「法定相続情報」を取得すれば金融機関は法定相続情報の取得日を書類の取得日と判断してくれます。法定相続情報の作成のための法務局に提出する戸籍は6カ月経過していても使用することができるため、法定相続情報を取得すれば、事実上戸籍の再取得と同様の効果があるわけです。
また複数の戸籍を束のまま金融機関に提出をした場合には、還付されるまで他の金融機関の手続きをすることができませんが、法定相続情報なら例えば3枚、5枚と複数枚請求でき、手続き先の金融機関が多い場合には1枚ずつ提出することが可能となり、とても便利です。