家族信託とは、一般社団法人家族信託普及協会により商標登録された言葉です。正式な法律用語ではありませんが、ここでは便宜上この呼称を使用させていただきます。
この家族信託、相続対策として注目されております。財産の所有者(委託者)が家族の誰か(受託者)にその財産の管理や処分を託すことができるのです。
大きなメリットの一つとしてあげられるのが“将来起こり得る認知症への備えになる”ことです。親を施設に入居させるためにお金が必要になった場合、親がその時点で認知症であると親名義の不動産を売却することは、成年後見人がいる場合を除きできません。しかし、家族信託契約を結んでその不動産の名義を受託者にしておけば、成年後見人の申立てをしなくても、受託者の裁量により不動産を売却することができるのです。また、受託者に名義を変えたからといって実質的には権利移転があったとはみなされないため、贈与税や不動産取得税がかからない点もメリットと言えます。
超高齢化社会といわれる現在の日本において、家族信託の需要はますます高まるのではないでしょうか。